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地方創生で”自然環境”を守る方法を解説します

    
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地方創生で”自然環境”を守る方法を解説します

地方創生と聞くと,自然環境よりも少子高齢化や活性化という言葉をイメージする人の方が多いのではないでしょうか。

人が集まれば土地は開拓され,むしろ地方創生と自然環境は相反するもののように感じるかもしれません。しかし,地方創生には自然環境を守る側面もあるのです。今回は,地方創生と自然環境の関係についてお話しします。

地方創生と日本の取り組み

地方創生とは,2014年に始まった政策です。「まち・ひと・しごと創生」ともいいます。目的は,都心に人口が集中(東京一極集中)してしまうのではなく,地方の町や仕事の活性化をすることで地方でも生活しやすくして人の流出を止めることです。日本の隅々まで活性化することで日本全土を元気にすることを目指します。

地方から都心に人口流出が続けば,地方の少子高齢化は進みます。働き手がいなくなった地方は過疎化が進み,小さな集落や自治体は消滅の危機に陥るかもしれません。実際に北海道夕張市は,炭鉱の閉山による人口流出が原因で税収が激減し破たんしたといわれています。働く場所がなければ人は移動せざるを得ません。

地方創生では,地方の魅力を伝えるだけでなく,Uターン就職や起業のあっせんにも力を入れています。また,新型コロナウィルスの影響でリモートワークやサテライトオフィスが注目されています。東京にこだわる必要がなくなった今,地方は新しい居住地そして仕事場として期待されています。具体的な取り組みとしては「地方創生テレワーク交付金」があります。

地方創生が自然環境に与えるメリットとデメリット

地方創生は,東京一極集中を避けて,地方に住む人や地方の仕事を増やすことが目的です。しかし,人が多くなれば開発も進み,自然環境にとってはデメリットもあります。地方創生が自然環境にどのようなメリットを与え,デメリットも与えるのかを考えてみました。

メリット:地産地消を促進できる

東京に人口が集中すると,東京で消費される食糧や物資が増えます。地方で生産された農作物も東京に運ばなければなりません。物を運ぶときには車や鉄道などが使われます。

車を使えば排気ガスが排出され,鉄道は電気を消耗します。どちらも自然環境には大きな負担です。しかし,地方創生で地方に住む人が増えれば地産地消が実現できます。

地方で作られたものがその土地で消費されることにより,長距離の輸送は必要なくなります。地産地消は,生産者と消費者の距離が近くなります。

生産者は,消費者が何を欲しがっているのかを把握して適した量を生産することで食品の廃棄を減らすこともできるのです。無駄な農薬を使うこともなくなり,自然環境にやさしい暮らしになります。

デメリット:人が集まり山村の開発が進む

デメリットは,人が集まることによって山村の開発が進むことかもしれません。家を建てるために山が切り開かれ宅地になります。また,地方創生は都心から移住した人だけでなく,もともとその土地で暮らしていた人たちにも影響があります。次から次へと新しい住民が増えていくことに抵抗を感じる人たちもいるでしょう。

これからの自然環境を考えた地方創生の動き

自然環境の視点から考える地方創生にはメリットとデメリットがあります。しかし,デメリットもやり方によってはメリットに変えることができます。

鹿児島県の屋久島は,豊かな自然が魅力です。地方創生だからといって雄大な自然を切り開くことは避けたいと思います。そこで考えられたのが屋久島の自然を生かした地方創生です。
屋久島が世界遺産に登録されたことで,山岳ガイドという仕事が登場しました。仕事があれば人は集まる可能性がグッと高まります。

株式会社パソナは本社を淡路島に移転することを発表しています。自然とエンターテイメントを融合させた「ニジゲンノモリ」を運営し,淡路島の自然をいかしながら地方創生の一端を担っています。
また,地方創生で人が集まることで自然環境を守る動きもあります。棚田は,日本の原風景ともいわれるきれいな景色です。しかし,棚田は大型の重機が入りにくく,人の手によって管理するところがたくさんあります。

少子高齢化が進んだ地方では棚田を管理できる人手が足りず,管理が行き届かないこともありました。しかし,棚田の魅力を発信し棚田に興味を持った人や管理をしてみたい人を集めることで,地方創生と人手不足を一気に解決しようとしています。実際に,棚田での体験がきっかけとなり移住を検討する人も増えています。

参考URL:屋久島の取り組み https://chikouken.org/wp-content/uploads/2019/06/56b96f6134931a852933323eebbe818a.pdf

参考URL:棚田体験 https://ehime-gtnavi.jp/archives/8416

おわりに

リモートワークやサテライトオフィスが広まり,地方創生は再び注目されています。自然環境を守りたいという気持ちは,自然の魅力に気がつくことからスタートするのではないでしょうか。

はじめから「地方の自然環境を守る」と意気込むのではなく,まずは地方の魅力を探してみてはいかがでしょうか。

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