”社会で求められる人材”を育てる/未来を見据えた人材育成
はじめに
人生を100歳まで謳歌する時代が,そこまできています。
人が100年生きるということにより必然的に働く期間が延びるということは,このカムイランドの「学ぶログ」でも何回かお話ししてきました。
時代の変化によって企業などの組織のあり方も変化するのではないかと予想されており,これによって求められる人材も変化していくと考えられます。
では,求められる人材はどのように変わっていくのでしょうか。
今回は,”人生100年時代に求められる人材”についてお話ししていきたいと思います。
人生100年時代の企業の形態は?
人生100年時代では,まず企業側のビジネススタイルが,今まで以上に多様な形態に変わることが予想されます。つまり,組織も多様性のあるものになると考えられるのです。
しかし,競争力の源が「人」であることは,人生100年時代になっても変わらないでしょう。
なぜなら,自分に合った才能を最大限に発揮し,マネジメントする力やコラボレーションする力は,人生100年時代に生き残っていく企業においては,今まで以上に求められるからです。
また,AIが本格的に普及すれば,この流れはもっと加速するでしょう。
現代のように企業が大きなピラミッドを形成する必要もなくなり,人材の最適期活用や機動性を高めるために最小限の社員でスリムな組織に移行していくことが考えられます。
すでにこの傾向は,今でも当てはまります。
ごく少数あるいは一人社長で始めた企業が,インターネットを利用して世界中の人とコラボレーションし,独自のビジネスモデルを構築し,大きな資金を集めている例は,稀ではありません。
ここまでお話ししてきたことを簡単に言うと,「人生100年時代のビジネスは,インターネットを活用して外部の力を柔軟に取り入れる開かれた組織形態に移行するだろう」ということです。
つまり,プロジェクトごとに必要なメンバーを社内外から集める「プロジェクト型組織」とも言えるでしょう。
人生100年時代に求められる人材とは?
それ伴って”人生100年時代に求められる人材”とはどのような人材か。改めて考えてみましょう。
今まで述べたような時代になると,予想される人生100年時代に求められる人材になるためには,時代に適した最先端のテクノロジーについていけるだけのスキルを持ち,そのスキルを持続的にアップデートすることができる人材です。
学校教育を終えたら学びは終了し,以後は定年退職まで働き続けるという従来の仕事観では通用しません。
リカレント教育を利用するなどして,働きながら最先端の技術を学ぶ機会を,自分から作ることができる人材こそが,人生100年時代に求められる人材になるのです。
特にテクノロジーに関する基礎的な意識や技能は,老若男女を問わずに必要なスキルになるでしょう。
理由は,生涯にわたり,人は生きていく上でそのスキルは使い続けていく必要があるからです。
以下の資料を見てください。従来,就職する上で身につけるべきとされた「社会人基礎力」は,人生100年時代においては,生涯にわたり身につけ続けるスキルとされています。これは,社内外において,多様で柔軟な働き方をする上で,どうしても身につけなければならないスキルであるためです。
「社会人基礎力」の課題
出典:「人生100年時代を踏まえた社会人基礎力の見直しについて」産業人材政策室 URL:(同上)
まとめ
人生100年時代の企業は,ビジネスを行う組織がどんどん縮小していくでしょう。
機動性に優れた最小限の社員で構成され,プロジェクトごとに社内外からメンバーを集めるようになります。
これまでのように大きな企業でなければできない仕事というものが減り,少人数のメンバーあるいは一人社長であってもインターネットを利用して世界中の人たちとコラボレーションすることができる社会となりつつあります。
そのような社会で求められる人材とは,学び続けることができる人材です。
学び続けてその時代にあったスキルを身につけ,新しい情報を常にアップデートできる人材こそ,人生100年時代に求められる人材になるでしょう。