老後の人生を豊かにする“コミュニュケーション力”とは?
老後での不安はさまざまありますが,その不安を解消させるために大切なことに「コミュニケーション」があると言えるでしょう。
例えば,同世代の友人がいれば,悩みを伝えることによって共感してもらうことができ,不安を解消したり軽減したりできることもあります。
気になっていたことがあっても,友人や知人の助言によって,簡単に解決してしまうことも少なくありません。
そのように考えると,老後に本当の意味で必要なものは,コミュニケーションであると言っても過言ではないのです。
しかし,高齢者の4人に1人は,親しい友人がいないことが分かっています。そのような中で活発なコミュニケーションを取り,心豊かに生活するためにはどうすればいいのでしょうか。
友人がいない!日本の高齢者の現状
内閣府の調査「高齢者(60歳以上)の生活と意識に関する国際比較調査(平成27年度)」によりますと,「家族以外に相談や世話をしあう親しい友人がいるか」という問いに対して,「友人がいる」と答えた方は73.1%にとどまっており,「(同性・異性の)いずれもいない」では26.2%であることが分かっています。
つまり,日本では,4人に1人程度は相談できる親しい友人がいないのです。
ちなみにこの調査はアメリカ,ドイツ,スウェーデンでも同じ調査が行われており,次のような結果となっています。
アメリカ:友人がいる:84.7%、いない:11.9%
ドイツ:友人がいる:82.2%、いない:17.1%
スウェーデン:友人がいる:90.5%、いない:8.9%
このように国際比較した場合に,日本人の友人の少なさを感じるのではないでしょうか。
老後を豊かにするコミュニュケーション~5つのポイント
老後も豊かな人生を歩むためには,コミュニケーションが取れる場所をいくつも持っておくようにすると良いでしょう。
ただ,老後になってからでは,なかなか行動が伴わないことが多くなりますので,早いうちから取り組んでおくことをおすすめします。
では,どのようにすればコミュニケーションが取れる場を持つことができるのか,いくつかご紹介していきましょう。
⑴ 配偶者や家族とのコミュニケーションが基本
家庭の中でコミュニケーションが取れていないことが意外に多いと言われます。
たとえ夫婦間であっても,コミュニケーションが取れていないことには意思疎通をすることはできません。
「老後に備えることが大切」とは言いますが,基本は家庭でコミュニケーションを取りながら備えていかねばならないものです。特に定年退職後は夫婦で顔を合わすことが多くなります。
お互いが勝手に過ごすのではなく,どのように暮らしていくのか,明るい老後について計画を立ててみてはいかがでしょう。
⑵ 地域の自治会や老人会,ボランティアなどの活動に参加する
地域には自治会や老人会などの活動が行われていますが,それらの活動に参加することによって,地域の方と知り合いになることができます。
地域のために活動することによって,地域にどのような方が住んでいるのか知ることができ,より身近に感じられるようになります。
自身の存在を地域のみなさんに知ってもらうことができますので,とても力強い存在になることは間違いありません。
今までは煩わしいと感じていた活動かもしれませんが,これからの人生において決して無駄な付き合いではないはずです。
⑶ 昔からの友人や知人にはこまめに連絡するようにする
仲が良かった友人や知人でも,連絡を取らないようになると疎遠になってしまいます。
疎遠になってしまいますと,会いたいと思っても,なかなか連絡を取ることも勇気が必要になるのではないでしょうか。
そのようなことにならないように,仮に会えないとしてもこまめに連絡を取っておくことをおすすめします。
今では都合でなかなか会えないとしても,スマートフォンなどを活用すれば,画面越しにコミュニケーションを取ることも可能です。
いつまでも昔話に話を咲かせることは,楽しいひと時になるはずです。
⑷ 信頼できる医師や薬剤師,看護師,福祉サービスなどを持っておく
家族や友人だけではなく,信頼できる人を持っておくことも大切なことです。
かかりつけ医や薬剤師,看護師,地域福祉のサービス事業者など,どんな場所でも信頼できる人がいれば,そこからコミュニケーションが始まります。
また,医療や福祉だけではなく,近所のスーパー,飲食店,郵便局など,どんなところでも信頼できる人を持っておけば,安心が得られるのではないでしょうか。
⑸ SNSなどインターネットを活用する
今はスマートフォンやパソコンなどを活用すれば,インターネットを通じて離れた場所の人と繋がることができます。
いまは高齢の方でもツイッターやインスタグラムなどのSNSに取り組んで,仲間を増やしている様子を見受けることができます。
SNSに取り組んでみて,実際に対面でのコミュニケーションを充実させることができたという事例も存在します。
ただ,高齢の方がいきなりSNSを始めることには抵抗感があるかもしれません。
しかし,環境が整い,根気よく教えてくれる人が周りにいれば,意外にすんなり溶け込めるものなのです。
まとめ
老後を豊かにするコミュニュケーションについてご紹介しました。
今まで仕事一筋で生きてきた方,家庭を守るために尽力されてきた方であれば,老後を迎えたときにコミュニケーションを取る相手がいないということが起きがちです。
コミュニケーションは,人生100年時代と言われる現代においてもっとも大切なものであると言っても過言ではありません。
そのため,早いうちからコミュニケーションを取ることができる場をいくつも持っておくと良いでしょう。