親と子供が共に学ぶ家庭内フィナンシャルリテラシー~お金の使い方を家庭で楽しく学ぼう!~【付録:ワークブック(日本語/英語)】
第1章:なぜ今、「家庭でのお金の教育」が重要なのか?
近年、「フィナンシャルリテラシー(金融リテラシー)」という言葉が注目されています。これは、単に「お金の知識」を身につけるだけでなく、「お金に関する健全な判断力と行動力」を育てる力を意味します。
特にデジタル化が進む現代社会では、キャッシュレス決済、オンラインショッピング、暗号資産など、子どもたちを取り巻くお金の環境は劇的に変化しています。そのような状況下において、「家庭でお金について話し合うこと」がますます重要となっています。
実践例①:親子でキャッシュレス体験
スーパーやコンビニで支払いをする際、親が「今日はカード払い」「今日は現金払い」と使い分ける姿を見せた後、「なぜ今日はカードにしたの?」と質問を投げかけ、子どもと一緒に「ポイント」「利便性」などの観点で考えさせる会話を重ねた家庭では、子どもが「現金には残高が見えるけど、カードは見えないから気をつけなきゃ」と自ら発言するようになりました。
第2章:フィナンシャルリテラシー教育の出発点は「家庭」
家庭は、子どもにとって最初に出会う「社会」です。買い物の場面やおこづかいの管理、家計の会話など、日常の中には自然に学べるフィナンシャルリテラシーの要素があふれています。
✅家庭でできる金融教育の例
- 親子で「買い物リスト」を作り、週末の買い物をミッション形式で実施(例:「1000円以内でカレーの材料をそろえよう」)
- ガス・電気・水道の請求書を「どれが多くて、なぜそうなるのか」を親子で読み解くゲーム化
- 自作のおこづかい帳アプリを導入し、週末に親子で「今週のお金の使い方発表会」を開催
実践例②:「おこづかい貯金レース」
兄弟姉妹3人で「3ヶ月間で一番多く貯金できた人が映画チケットゲット!」というルールで貯金レースを開催。途中で「衝動買いをしない工夫を考える」などルールの見直しを加えながら進めることで、子どもたちにお金の管理の楽しさと達成感が芽生えました。
第3章:実践で効果があった!家庭内フィナンシャル教育の成功事例
実践例③:「家族会議で家計を話し合う」
中学生の子どもを持つ家庭では、毎月1回「家計公開デー」として、必要な出費とその優先順位を家族で共有。子どもが「お菓子をまとめ買いする方が安い」と発言し、家計改善のアイデアとして採用されたことが自信につながりました。
実践例④:「夢をかなえるお金計画」
「Switchの新作ゲームが欲しい!」という目標をもとに、「いくら必要?」「何ヶ月貯める?」「どうやって工夫する?」を親子で考えるプロジェクトを開始。チラシで安売り品を探す・家の手伝いでポイントを貯めるなどの行動を通じ、目標達成後には「計画すれば買える」ことの達成感を体験できました。

第4章:諸外国に学ぶ!家庭と連携した金融リテラシー教育
🇺🇸アメリカ:「Money Smart for Young People」プログラム
家庭でのワークシート活用を推奨し、買い物のシミュレーションや貯金目標の設定を親子で行う教材を配布。家庭学習が日常の一部として定着しています。
🇫🇮フィンランド:学校と家庭の共同プロジェクト
学校の授業で「お金を借りるとはどういうことか」を学び、その後家庭で親と一緒に「仮想ローン返済プラン」を作成する宿題が出されるなど、親子でお金の倫理観まで共有する仕組みが存在します。
🇸🇬シンガポール:家庭向けの金融リテラシー冊子を無料配布
生活の中で「必要な支出と欲しいものの違い」について、親子で話し合うための例文が豊富に掲載されており、保護者も無理なく始められる仕組みづくりが進んでいます。
第5章:家庭で実践するための3つのステップ
ステップ①:「お金の話題」を楽しくシェア
夕食時に「1,000円で何が買えるかコンテスト」をしたり、週末には「自分のおすすめ節約術を発表」するなど、お金の話題を“ゲーム”や“挑戦”として取り入れることが効果的です。
ステップ②:小さな「金銭責任」を与える
例:文房具は毎月500円以内で購入/誕生日プレゼントは自分で半分負担 こうした体験を重ねることで、「使うこと」だけでなく「選ぶこと」も重要であると実感します。
ステップ③:親が“学び直す”姿を見せる
例:親がFP(ファイナンシャルプランナー)のセミナーに参加し、学んだことを子どもと共有/親の支出管理アプリを子どもと一緒にレビューする 親の学ぶ姿勢が、子どもにとって最高のモデルになります。
第6章:未来へつなぐ「家庭発・金融リテラシー教育」
子どもが将来、自立して生きるために欠かせないのが「お金を管理する力」。それは難しい知識よりも、日々の家庭生活の中で育まれます。
実践例⑤:家庭内クラウドファンディング
家族で「新しいゲームソフト購入プロジェクト」を立ち上げ、親・子どもそれぞれが「いくら出すか」「どんな条件で出すか」を話し合い、「共同出資による共有購入」を実現。子どもは「自分のお金がちゃんと使われる喜びと責任」を感じる機会となりました。
🌱 おわりに:家庭こそが最高の“金融リテラシー教室”
「家庭でできるフィナンシャルリテラシー教育」は、工夫しだいで楽しさと学びを同時に得られる素晴らしい取り組みです。親も一緒に学びながら、家庭を「生きる力を育む教室」に変えてみませんか?
【付録:家庭向けファイナンシャルリテラシーワークブック】(日本語/英語)