LIFE Design(ライフデザイン)を描くための”5つの要素”
人生100年時代と言われますから,50歳になった方であれば,ようやく半分に差し掛かった時点にしかすぎません。とはいえ,今までの50年とこれからの50年は大きな違いがありますので,どのように過ごすのか,どのように働いていくのか考えておかねばなりません。
特に,仕事一筋で生きてきた人であれば,定年退職を迎えてしまうことで,生きがいを失くしてしまったかのように力が抜けてしまう方もいらっしゃいます。
だからこそ早い段階から,60代の生き方,70代の生き方,80代の生き方を考えておかねばならないでしょう。
これからの50年をテーマに,どのように自分の人生をデザインしていけばいいのか,お伝えしていきたいと思います。
人生後半のライフデザインの描き方に大切な5つの要素
冒頭にもお伝えした通り,前半50年と後半50年では大きく異なります。
漠然と将来のことを考えて不安になる方は多いですが,明確に後半の人生の生き方をデザインしておけば,これほど楽しみになる時間もないのです。それは,仕事をしてきた方であれば,仕事で活動していた時間がそのまま自由な時間となるからです。
その自由な時間をどう考えるかは個人個人によって異なりますが,どのようなことがしたいのか,どのような不安があるのかといったことを整理していくと,うまく後半人生のライフデザインを描いていくことができます。
うまく整理して考えるために,後半人生で重要な「健康」「親の介護」「人との繋がり・日々の活動」「経済」「環境」の5つの要素から,捉えてみるといいでしょう。
⑴健康
人生後半においては健康に対する不安を感じる方が多くなります。
年齢と共に衰えてきますから不安が生じて当然で,また,自分だけではなく配偶者や家族の健康なども,不安要素のひとつになります。自身においては,今から健康づくりに取り組んでおくことをおすすめします。
会社の健康診断などの検査結果が良くないまま,忙しいからという理由でそのままにしている方は多いのではないでしょうか。
例えば,コレステロール値や中性脂肪値などの数値が悪い場合には,将来的に動脈硬化を引き起こすリスクが高くなります。
そのため,早い段階から健康づくりに取り組むが大切であることは言うまでもありませんが,何かあったときに相談できる病院があると安心です。
配偶者といっしょに,信頼できる「かかりつけ医」を持っておくようにしましょう。
⑵親の介護
親の介護については,福祉サービスとの関係が不可欠になります。
親の住んでいる地域にある「地域包括支援センター」がどこにあるのか,場所と連絡先を把握しておくようにしましょう。
地域包括支援センターは,地域の高齢者の相談窓口です。
介護のことだけではなく,健康づくり,介護予防,成年後見制度など,高齢者にまつわるあらゆる相談が可能となっています。
また,すでに介護サービスを受けているのであれば,担当のケアマネジャーさんと連携を図っておくことで,今後のことなど不安な点も相談することができるでしょう。
⑶人との繋がり・日々の活動
人生後半になると人との繋がりや日々の活動が大きく変化します。
特に現在就業されている方でしたら,退職することによって上司や同僚,取引先,お客さんなどとの関係がなくなることになります。
しかしその反面で,共通の趣味を持つ知人,学生時代からの友人,近所の自治会などとの関わりはより強くなるでしょう。
ただ,仕事一筋で生活している方の中には,退職することによって燃え尽きてしまったように力が抜けたり,家に引きこもってしまったりする方も少なくありません。
そのため,退職後に関わっていきたい人や場所,やってみたい活動などを明確にしておくといいでしょう。
退職後に地域に関わったり,誰かの役に立ちたいとボランティア活動を始めたりする方も多いですが,今から少しずつどのように関わることができるのか調べておくことも一つです。
⑷経済
少し前に「老後の2000万円問題」が公表されたこともあり,経済的な問題で不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし,今は退職してからも,自分が役に立つのならいつまでも働きたい,という考えをお持ちの方が少なくないのです。
内閣府の調査によりますと,労働力人口総数に締める65歳以上の割合は11.8%(2016年度)であり,どんどん増えていることが分かっています。(参考:内閣府「高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向」)
そのため,退職先の企業で再雇用してもらったり,シルバー人材センターなどに登録したりといった方が増えているのです。
⑸環境
人生の後半において,どこに住むのかということも,生きるうえで大切な要素となります。
例えば,退職後には都会を離れて,田舎や地方での生活を求める方が増えています。
現在は移住政策に力を入れている自治体も多く,制度を使うことによって初期費用や生活費用を抑えることが可能です。
退職後は農業を始めたいと,畑付きの住宅を自治体から紹介してもらい,農業で生計をたてながら生活を営むようなことも可能です。
田舎や地方では,特有の人間関係もあることから,孤独を感じることなく安心して暮らすことができるでしょう。
まとめ~どのような生き方を求めているのか
人生後半のライフデザインの描き方について,「健康」「親の介護」「人との繋がり・日々の活動」「経済」「環境」といった5つの要素からの捉え方をご紹介しました。
あくまで一例として5つの要素をご紹介しましたが,大切になるのは「自分自身がどのような生き方を求めているのか」。そこに答えがあるように感じます。
年齢を重ねたからと言って,新しいチャレンジができないわけではありません。むしろ意欲さえあれば,どんどん新しい生活を築き上げることができるでしょう。
自分が望むような生活,人との繋がり方,楽しい過ごし方があるはずです。今から取り組んでみることによって,きっと後半の人生が楽しみになるはずです。