M字カーブから学ぶ,人生100年時代の生き方のお手本とは?
いきなりですが皆さんはM字カーブってご存知ですか?
M字カーブの定義
M字カーブとは,子育て中の女性の労働力率が減っていることをグラフ上で表したものです。
今回はこのM字カーブについて考えてみましょう。
つまり,こうゆうことです。
高校や大学を卒業し就職して働き始めて労働力に組み込まれます。労働力とは,働いている人たちの数を表した比率ですね。
そして,労働力に組み込まれた方たちが,退職を機に労働力から外れていくというように,労働力率は平準なアーチ型を描きます。特に男子の労働力率はこの傾向になるのに対して,女子は妊娠・出産・育児の期間中は労働力に組み込まれていないことから,その間の女子の労働力率が減ってM字になるのです。M字の真ん中のくぼみが労働力率が減った部分を表しているのですね。
お分かりになりましたでしょうか。
それをグラフで表すと減っている部分がへっこんでM字になるのでM字カーブって命名しているのです。
近頃,M字の真ん中の部分の落ち込みは緩やかになっているとは言いますが,でもやはり,20代後半から40代前半の女性の労働力率の落ち込みがわかりますね。
これに対して
「当たり前のことだし何も問題がないではないか。」
「子育てに専念しているのだからその間の女性の労働力が減るのは当然ではないか。」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。
でも果たして当然なのでしょうか。私は当然と思っていません。その証拠に、比較的女性の社会進出が盛んなアメリカやフランスではM字のくぼみはほとんどありません。
M字カーブに関する今後の問題
このM字カーブの何が問題なのでしょうか?これには2つの問題があると思います。
①社会復帰した後の問題
復帰した後の問題子育てを終了していざ働きたいと思っている女性がいたとしても,復帰した際の待遇が復帰前の待遇に見劣りすることがあれば,仕事に戻る気も起こらないだろうし,過酷な職場状況が予想されるのであればなおさら働く気が起きないでしょう。
②社会的な問題
子育てが一段落した後の生活環境の激変という問題もあります。近頃では生活の不一致などが原因で夫婦関係を解消する比率も増えている傾向があるといいます。離婚した際の育児は実際母親が担うことが多くなっています。これは社会的な問題と言えますね。
今まで述べたような状況が重なると,ますます職場に復帰することが難しくなるのは当然ですね。
やっと育児を終えた女性が負担のない範囲で働ける職場,適度に専門性ややりたいことができる職場・・・そんな職場だったら素敵ですね。
たとえば在宅で自分の専門性を活かすことができれば,心の負担も少なく,また過度なストレスを抱くことなく,育児をしながら仕事に復帰することができるのではないでしょうか。
先ほど述べた①②の状況に遭遇したとしても負担が少なくて済むのではないでしょう。
今までお話ししたことからも,育児後の女性の仕事に対する専門性の必要性が重要であることがおわかりになると思います。
M字カーブ解決への道
それでは,どのような専門性を身につけるのがいいのでしょうか。
その方の特技や趣向もあり一律に言うことはできません。簡単には判断できないこともあるかもしれませんね。
これからの人生100年時代の社会情勢や未来のAIやデジタル社会のあり方も考えながら,育児後の女性にとってどのような生き方が最も負担がなく自立した生活を保証できるかみんなで考えていくことが必要になるのではないでしょうか。
まとめ
以上述べたような課題は女性に限らず,否応なく社会の弱い立場に追い込まれてしまいがちな,障碍を持った方や支援が必要な立場の方、または高齢の方など,生活弱者と言われる方達にも言えることです。
女性をはじめとした,これらの人たちが楽しく生きがいを持って生活していけるかどうかの命運は,人生100年時代の女性の生き方にかかっているのです。