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気候変動が動物に与える「影響」と私たちが「できること」

    
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気候変動が動物に与える「影響」と私たちが「できること」

はじめに

世界中で気候変動が大きな問題として取り上げられています。私たちは、今まで経験したことがない事態に直面し,さまざまな影響を受けています。
しかし,気候変動による影響を受けているのは人間だけではありません。動物たちも人間と同等もしくはそれ以上に影響を受けています。

今回は,気候変動が動物に与える影響と人間が今できることについてお話しします。

気候変動が寒い地域の動物に与える影響

気候変動による一番大きな変化は気温上昇です。地球の気温が上昇することによって,さまざまな変化が起きています。そして,その変化による影響は住んでいる場所によって異なります。寒い地域に住む動物たちは,多少気温が上がってもたいした影響は受けないだろうと考える人もいるかもしれません。しかし,気温が上がれば海氷がとけだします。とけだした海氷がとければ,海氷の上で生活をしていたホッキョクグマは居場所を失うのです。

さらに,ホッキョクグマは寒い環境から身を守るためにたくさんの脂肪を体内に貯めています。しかし,気温が上がったことにより脂肪の量が減ります。脂肪は体温保持や防寒のためだけでなく,母乳の元にもなります。
母乳の原料ともなる脂肪が減ったことで母乳量が減少し,子どもを育てることもままならなくなっているのです。

海氷が減って影響を受けている動物はホッキョクグマだけではありません。ペンギンは,海氷の上で卵を温めます。海氷がなくなれば卵を温める場所がなくなり,将来的にはペンギンの数は減っていくでしょう。

気候変動が暑い地域の動物に与える影響

気候変動による気温上昇によって暑い地域に住む動物たちも影響を受けます。
気温上昇によってオアシスは干上がります。草食動物の食料である植物は育たなくなります。水がなくなることは,動植物にとって死活問題です。

暑い地域では,乾燥が進むことが一番大きな問題です。森は気温上昇によって乾燥します。乾いた葉がこすれあうことで発火し,山火事が発生するのです。
オーストラリアやカナダの山火事は記憶に新しいのではないでしょうか。山に住む動物たちは逃げることができず,多くの命が失われました。

気候変動が水中の動物に与える影響

気候変動は,海の中にも大きな影響を与えます。気候変動によって気温が上昇すると海水温も上昇します。海水温が上昇するとサンゴが激減します。

海の中で白くなっているサンゴの映像を見た事がある人もいらっしゃるでしょう。白くなったサンゴは瀕死の状態です。実は,サンゴは産後の表面についた藻が作り出す栄養を吸収して生きています。気候変動によって海水温が上昇すると藻が光合成できなくなってしまい,サンゴも弱ってしまうのです。

白くなった状態が続くとサンゴは死んでしまいます。サンゴは,魚の住かになります。
サンゴがなくなってしまえば魚は住む場所を失います。魚が減ってしまえば魚を食べて生きている動物たちにも影響があります。環境省の発表によると石西礁湖及び西表島と周辺離島では80%以上のサンゴが実際に白くなっています。

(参考URL: https://www.env.go.jp/press/105015-print.html

気候変動で水温が上昇すると水の中の酸素は減ります。日本国内でも酸欠により魚が死んでいるニュースを毎年のように聞くようになりました。

海水温が1度上がると魚が酸素をたくさんとりいれられなくなり,20%から30%小さくなるというデータもあります。実際に海水温上昇が目立つ北の海でとれるタラやニシンは小型化が始まっているという学者もいます。

(参考URL: https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20330660U7A820C1000000/?channel=DF130120166020

SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」とは?

SDGs(Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」)では,2015年に国連サミットで採択された2030年までに達成することを目指した世界の目標が掲げられています。

全部で17個の目標が掲げられています。その15番目に「陸の豊かさを守ろう」という目標があります。陸の豊かさを守るためには,気候変動だけでなく人間の営利目的とした活動も見直す必要があります。SDGsではさまざまな視点から陸の豊かさを守るための方法を考えています。

気候変動の視点からみたところを抜粋し簡単に説明すると「国際的な協定に従って森林や生態系を守る」「森林の減少を食い止めて回復させる」「砂漠化した土地を回復させる」「多くの種類の生物が生きられる環境を守る」「絶滅が危惧される動物を守る」が挙げられます。
このままの生活を続けていけば2100年にはホッキョクグマが数頭もしくは絶滅するという予測も出ています。

気候変動から動物たちを守り人間も生き延びるためには,今できることを始めるしかありません。それは温室効果ガスの排出を抑えることであり,人々が地球の現状を知ることです。

まとめ

気候変動が動物に与える影響は,住む場所を限定せずに広がっています。
ひとつの種類の動物が減れば,他の種類にまで徐々に影響は広がっていきます。気候変動を今すぐ食い止めることは不可能です。

私たち一人一人が,今できることを始めることで,未来の地球を守っていくことが可能になるのです。

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