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地方医療と老人問題・・・,その解決する糸口を解説

    
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地方医療と老人問題・・・,その解決する糸口を解説

はじめに

地方の過疎化が進む中で,高齢者世帯や高齢者の単独世帯が増え,地方の高齢化率も大きく進んでいます。
地方の子供たちは,進学や就職,転勤,結婚,出産などのタイミングで,地方を離れてしまい,そのまま都市部に移り住んでしまうことが多くなります。

ただ,地方に住む親に対して医療や介護が必要となったときに,「介護離職」の選択肢しか残されていないのは大きな問題です。

また,高齢化は地方医療に対しても及んでおり,都市部との医療格差が生じていることも,地方に住む高齢者にとっては不安な材料であると言えるでしょう。
ここでは,「地方医療と老人問題」と題して,地方の現状,過疎地域に住む高齢者の思い,地域医療の課題や取り組みなどについてご紹介していきます。

1. 地方の過疎化と老人問題

地方の過疎化は進んでいますが、地方に住む高齢者は「いつまでも住み慣れた自宅で住み続けたい」と考えています。
地方で住み続けていくには、やはり体調を管理してくれる病院や医師の存在が不可欠です。

① 過疎化が進む地方

都道府県別に高齢化率を比較してみると,東京都では23.1%であるのに対して秋田県では36.4%と,大都市圏と地方都市では大きく差が生じていることが分かります。(※2018年度:内閣府公表)

また,過疎地域の現状においてみれば,高齢者の比率は高い傾向にあり,しかも15歳から29歳の若年者の比率が低い特徴があります。
総務省が公表しているデータによりますと,2025年には過疎化地域の高齢化は40%に達すると言われています。

② 過疎化が進む地方に老人が住み続けるということ

地方には地方の良さがありますので,都会を離れて地方で暮らしたいと考える方も多いでしょう。

ただ、身体が衰えると共に、どうしても生活しにくさに直面することになります。
すべての社会資源が身近ではないことも多く、買い物ひとつもなかなか思うようにできないということも珍しいことではありません。

また,近所に病院がなく,体調を崩した際にすぐに診てもらうことができないこともあるでしょう。

そのような状態になったときに,高齢者自身にとっては不安要素がどんどん大きくなりますし,離れて暮らす子供にとっても気が気でない状態になってしまいます。
場合によっては,子供が仕事を離職し,親の支援や介護にあたるといった「介護離職」も現実のものとなってしまうのです。

③ 過疎地域に住む老人の本音は?

「子供に迷惑をかけたくない…」

多くの高齢者はそのように考えていて,いつまでも住み慣れた自宅で生活を続けたいと考えています。

厚生労働省が行った「人生の最終段階における医療に関する意識調査」において,人生の最終段階において「家族等の負担にならないこと」と答えた方が73.3%であることが分かっています。また,調査結果の上位には,つぎのものがあります。

「体や心の苦痛なく過ごせること」57.1%

「経済的な負担が少ないこと」55.2%

「自分らしくいれること」46.6%

「家族等との十分な時間を過ごせること」41.6%

「信頼できる医師等に見てもらうこと」38.1%

この調査結果をみても,身体が不自由になったとしても適切な医療を受け,自分らしい生活を継続したいと考えている方が多いことが理解できるでしょう。

2. 地方医療における老人問題を解決する取り組み

過疎地域では,体調を崩した際にかかりつけ医が近くにおらず,通院することが難しい場合も多く見受けられます。医師不足も顕著ですし,また都市部と比較して医療に対する格差も歴然です。

しかし,冒頭からお伝えしている通り,これからさらに地方の過疎化は進んできますので,新しい対応策が求められています。

① 地方医療が抱える課題と解決策

「かかりつけ医」を持つことが,高齢者にとってとても重要なことであると言われています。
体調不良や健康に対する不安が生じた際に,かかりつけ医の存在は,生活上において安心をもたらしてくれるものになるからです。

ただ,現状の医療を見てみると,各診療科ごとにかかりつけ医が存在しているのではないでしょうか。
一般的な健康問題があるのであれば内科,膝や腰が痛いのであれば整形外科,目の調子が悪いのであれば眼科というふうに。

しかし,それでは医師不足である過疎地域の医療を支えることは不可能です。
そんなことから,近年では総合的に健康を支えることができる「総合診療医」の取り組みが行われています。
特に電子カルテの導入が始まってからは,病院と診療所との情報提供がスムーズになったことから,医療効率も良くなりつつあります。

② 地方医療のあり方

地方医療においては,かかりつけ医と高齢者との関りだけではなく,行政や福祉,その他地域の社会資源などを最大限に活用していくことが求められます。

その取り組みが,高齢者の安心した生活に繋がるだけではなく,地方医療を支えことができるのです。
例えば,現在普及のために取り組まれているオンライン診療については,行政や福祉の協力なしでは進めることができません。
また,継続的な医療の提供には,訪問看護やかかりつけ薬剤師の存在も必要になるでしょう。
限られた医療関係者によって格差のない医療を届けるには,IT技術を最大限に活かし,医療効率を高めていくことが重要なのです。

まとめ

地方の過疎化は,これからさらに進んでいくことになります。

医師の高齢化によって不足することも指摘されています。

そのような中で地方に住む高齢者が安心して暮らしていくためには,身近に信頼できるかかりつけ医の存在が必要であることは間違いありません。
そのため,診療所と高齢者だけではなく,行政や福祉,地域の社会資源なども踏まえて連携を図ることが,地方の医療格差をなくすポイントになるのではないでしょうか。

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