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ICT教育の思わぬ「勘違い」に陥らないための方法とは?

    
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ICT教育の思わぬ「勘違い」に陥らないための方法とは?

はじめに

インターネット元年を迎えてから小学校でパソコンなどのICTを活用した授業が導入されましたが,現代ではパソコンだけでなくタブレット端末などを用いてデジタルメディアを活用した授業が行われて,どんどん加速するICT教育の思わぬ「勘違い」についても提起されています。

加速するICT教育に翻弄され「勘違い」する教師たち

デジタルメディアを活用した教育は「ICT教育」と呼ばれ,一般的にパソコンやタブレット端末・インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法のことを言います。

学校教育段階でICTを導入した教育を取り入れることで,子供たちがデジタル機器の使い方に習熟し,将来のAI時代を見据えて,積極的にICTに関わることができる動機付けを与えることができるという利点があります。

しかし一方で,多くの学校で導入されているICT教育は,ネットで繋がったパソコンやタブレット端末に取り入れたアプリケーションを閲覧して,感想をワープロソフトに打ち込んで意見交流するだけの授業や,学習指導要領で提起されている対話的で深い学びとは”程遠い”授業が展開されていたりするなど,子供の想像力を掻き立てたり,課題解決的授業とはかけ離れた授業内容が行われていることが指摘されています。

そこで今回は,このようなICT教育の目的を見失い,思わぬ「勘違い」を冒している教師たちの考えを軌道修正していく方策について解説していきます。

これを読むと,あなたは,これから学校教育において主流になるICT教育とそれを進めるためのポイントについて理解することができるでしょう。

ICTを活用した教育の目的とは?

ICT教育が加速することで,今までの授業では実現できなかった海外の生徒との合同授業や,動画や画像を用いて視覚的に学習することができるなど,生徒のモチベーションを上げることができます。

しかし,それがICTを活用した授業の本道ではありません。
ICT教育は,目的志向型の授業を展開し,子供の想像力を掻き立て,深い学びを促すことを意図しています。

「勘違い」を正し,次の時代を見据えたICT教育を・・・

今まで述べたようにICT教育を導入する上で明らかにデメリットとなる「勘違い」が懸念されますが,これらデメリットを解消することで,ICT教育は子供たちの新たな学びとして定着していくでしょう。

具体的に,ICT教育を円滑に進める上でポイント点と留意点について,2点ずつ挙げておきます。

① ICT教育利用開始までの各種設定を支援するためのフォロー体制を構築する。

機器設定のシステム構築やフォロー体制は,外部機関に委託することを原則とします教師の仕事は,機器のシステム構築にあるのではなく,あくまでも授業の実施と改善です。

②  教師は,ガイダンスや研修を通じてICT活用実習を行い,教育コンテンツを作成する技能を身につける。

ICT技能は全教員必須の研修内容として設定します。教師は,担当する目の前の児童生徒の学習状況を想定して,コンテンツを開発する技能を身につけるべきです。

ICT教育の「勘違い」をなくし,目的の明確なICT教育を展開することで,ICT教育は広い世代に受け入れられる学習方法となるでしょう。

今まで述べたように,ICT教育を進める上で何より大切なことは,目的志向型の授業を展開し,子供の想像力を掻き立て,深い学びを促すことです。

そのためには,教員が教育コンテンツを作成する技能を向上させることが必須になります。つまり,ネットシステムの構築はサポート会社が担い,教員は研修などを通じて教育コンテンツの開発や作成に特化した技能を身につける必要があるのです。

現在は,目的志向型で深い学びに到達せず,ネットシステムを構築した程度で事が済んだと「勘違い」している学校や教員がとても多いという印象を受けます。

まとめ

先にも述べましたが,ICT教育は,目的志向型の授業を展開し,子供の想像力を掻き立て,深い学びを促すことを意図しています。

教育コンテンツの技能とは,目的志向の教育理論と,それにともなう教育的なコンテンツを作成する技能です。理論と実践力を統合した力といって良いでしょう。

特に,近年では”インストラクショナルデザイン”に根ざした授業展開を研修することで,目的志向型の授業を設計する方法を学ぶことができます。

このような技能を身につけることで,教師は教育コンテンツに特化した考え方に移行し,かつての”指導案”作成のように,生徒の実態やニーズ,及び目標を見据え,それに応じた授業展開に焦点化した“授業設計”と,新たに導入されてきたデジタルを利活用した“ICT教育”を繋げて議論することができるようになるのです。

インストラクショナルデザイン(ID:Instructional Design)とは
日本語に直訳すると「教育設計」という意味です。その名の通り,様々な環境において,最適な教育効果をあげるための授業設計を目的とした授業論です。

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